4日のニューヨーク株式市場でダウ平均株価(30種)が一時、約3か月ぶりに1万ドルを割り、5日の東京株式市場も全面安となるなど、世界に株安の連鎖が広がった。5日のダウ平均も続落で始まり、再び一時、1万ドルを割った。米国の雇用不安に加え、欧州のギリシャなどの財政悪化が世界経済の不安要因として浮上していることが要因だ。ユーロ売りも進み、欧州が世界経済の新たな火種となり始めた。(ロンドン 是枝智、ニューヨーク 池松洋)
独仏などユーロ圏16か国の金融政策を担う欧州中央銀行のトリシェ総裁は4日の記者会見で、「ユーロ圏の先行きの不確実性は依然高い」と指摘、「財政赤字が金融政策への重荷になり得る」との認識を示した。この発言などをきっかけに欧州の主要株式市場は大幅下落。通貨ユーロも対ドル、対円で急落した。
ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペインのユーロ圏5か国は、頭文字をとって「PIIGS」(ピッグス)と呼ばれる。雇用と財政の悪化で、欧州経済の重荷になっているとも指摘される。
EU加盟国は「財政赤字を国内総生産(GDP)の3%以内」に抑えることが義務づけられているが、イタリアを除くPIIGS4か国は基準の3~4倍だ。市場では「これらの国が債務不履行(デフォルト)を起こすのではないか」との見方も出始めた。
米株式市場の4日の株価下落も欧州の不安の影響が大きいとみられている。米失業率は改善したがなお高水準にあり、「景気の二番底懸念で世界の株価はさらに落ち込む可能性がある」(市場関係者)との声も出ている。